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パリの骨 by Laurie King

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♦︎THE BONES OF PARIS by LAURIE KING

パリの骨 創元推理文庫 出版 山田 久美子訳

 

ぎりぎり11月で読み切ることができました。

本日4時間ぐらいは費やした〜笑。

ページ数561ページのミステリー小説。

S・Hシリーズが面白かったので、同じ著者のものを読んでみました。

レビューを一切みずに、自分がどう感じるか試しによんでみました。

2週間ほど読み切るのにかかった気がします。

あらすじ以降では、ネタばれ含みますので、未読のかたは

ご注意ください。

今回は、さらっとこの本のどこが気に入らなかったかについて

言及するページなので、お気を悪くされる方は

ご遠慮くだされば、幸いです。

 

 

あらすじ:舞台は1929年のパリ。私立探偵のスタイヴサントは失踪した

アメリカ人女性を発見するため調査をしていた。そんな中、浮上した人気写真家の

マン・レイ」は、かの有名な画家ピカソを筆頭に数々の著名な芸術家と交流が

あり、失踪したアメリカ人女性も彼のモデルをつとめたことがあった。

過度な芸術的表現の裏での犯罪行為を疑う警察とスタイヴサントは不思議な関係で

互いに捜査をすすめていくが、死の帝国たるパリの闇へと足を踏み入れてしまう。

 

 

ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想:一言で言うと、少しがっかりでした。。

これだけの長編だから多少、中だるみの部分があるのは

仕方ないと思いますが、1900年代前半のパリの社会背景や

グロテスクを芸術とする哲学的な思考の描写が少々、込み入りすぎている。

著名人が度々、登場するのは、エンターテイナー的な要素としてありだと

思いますが、ダークアートと、ル・コントが連続殺人を繰り返していた

動機(からくり)を結びつけるには、少々無理がありました。

結局、贈り物のために殺人を繰り返していた?

以外に動機について語られていましかね、、?

もう最後かなりスキミングで読んでしまっていたので、見逃したかもしれません。。

ストーリーが、動き出すのは、本当に後半にさしかかって(400ページ以降)

からなので、読者を引き込むのに時間がかかりすぎている点は非常に

もったいないと感じますし、最後の展開も駆け足で本当にあっさりって

感じでミステリー小説としての質はあまり高くないと思います。

間、間で会話が断片的に挿入されていましたが、

とてもわかりにくいです。

かといって、犯人はかなり容易に推測できました。

そして特にどんでん返しなどなく、推測通りでした!笑

回収されきっていない伏線が多すぎて、かなりもやもやしています。笑

ピップのパスポートが、ナンシーがプレゼントされた本からでてきたのは、なぜでしょうか。

どこかに言及されていましたでしょうか。

見逃しているかもしれませんが、どなたかご存知の方いらっしゃれば

私におしえてください。(>_<)

そして、この作品シリーズものだったらしくて、

翻訳されているのは、この作品のみらしいです。笑

どうりで、わからない箇所が多いわけだと思いましたが

初作を原書で読むに値するかは、個人的には微妙なんです。

なんだか、ストーリーと、芸術、登場人物それぞれが

一人歩きしているような、整合性のない作品という

印象でした。

海外文庫を刊行順に訳してほしいという

切なる願いです。。

ローリー・キングさんの他の作品はとても好きなのですが

この作品に関しては、残念でした。

パリの雰囲気や描写は細かくて、表現も綺麗なところは

素晴らしいと感じますが、スターレートは

☆☆☆★★(2)です。(Good Reads)

 

 

12月は年末休みもあるので、5冊ないし6冊は最低でもよみきれたら

いいなあと思います。

どれだけ多く読めるかではないですが、読み切りたい本が

たくさんあるんです。笑

明日からまた1週間はじまります。

目標は、体調をくずさず1週間遅刻せず乗り切ることです!笑

ハードルは低めに。。

明日から海外症例、研究報告のスクリーニング業務も

はじまります。初めてのことは不安と緊張が伴いますが

できることをするのみですね〜。

全く英語の学習をしていませんが、こちらも来月はどこかで時間を

確保する予定です。

 

 

 

読んでくださりありがとうございました⭐︎

どうかみなさん体調にきをつけて、素敵な1週間を始めましょう!

 

 

 



10月に読み切った本について

 こんばんは。

コロナがぶり返して大変な三連休ですが、早く治るといいですね。

買い物に出かけたかったですが、我慢です(;_;)

お家の中で、映画をみて読書をして掃除をしてゆっくり体を休めるとします。

 

最近は残業が多く、平日はほぼ本を読む時間が取れていませんが

10月に読んでみた本について記録しておきます。

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順不同で、記載させていただきます。

 

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♦︎ベイカー街の女たち (著者:ミシェル・バークビイ)

♦︎ガウディの鍵  (著者:エステバン・マルティンアンドレウ・カランサ)

♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 (著者:ローリー・キング)

♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 マリアの手紙(著者:ローリー・キング)

♦︎アノニム  (著者:原田 マハ)

 

10月はハロウィンということで?主にミステリーものを読みたかったですが、偶然古本屋で見つけたシャーロック・ホームズのオマージュ作品を見つけて読んでシャーロック・ホームズ熱が再燃し、結局ホームズもの3作にクライムノーベル2冊(アノニムはクライムノーベルではないですが)と路線変更しました。

 

 

 

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♦︎ベイカー街の女たち (著者:ミシェル・バークビイ)

ミセス・ハドソンとメアリー・ワトソンの事件簿

 

あらすじロンドンの街で秘かに起きている、既婚の女性を狙った薄汚い恐喝事件。名探偵ホームズに依頼を断られ、意気消沈した女性を救うべく、ハドスン夫人とメアリーはホームズとワトスンに内緒で調査を始める。しかし、彼女達が足を踏み込んだ事件は次第に危険な方向へ向かいついに惨殺死体を発見することになってしまう。ミセス・ハドソンが語る知られざる女たちの冒険。

原点へのオマージュ満載の本格ミステリ調。(一部、KADOKAWA公式サイト、著書より抜粋) 

 

感想:ざっくり言うと、ホームズの相棒ワトソンの妻であるメアリーと、ホームズの下宿先の家政婦ハドソンがホームズとワトソン達に頼らずに事件を解決していくというお話です。

著者はこの作品がデビュー作とのことでした。

カバーのイラストがとても素敵ですね。ページ数は400と少し。(角川文庫)

内容自体は、ホームズファンとして読むなら物足りなさは否めません。笑

コナン・ドイルの作品と比べると扱われている犯罪は少々スリルが足りない?

私の理解力の乏しさが大きく影響されてますが、ここはなんでこうなの?って所が何箇所かあって再読してみようと思っているぐらいです。笑(結局しない)

唯一のクレームは、扱われている犯罪をしっかり完結してほしいのと、中身を詰めて欲しかったってことです。白黒はっきりさせたい個人的な嗜好なので。。

が、とてもストーリーの流れが良くて、登場人物も常識的な数なので、ミステリーを追うのが苦手でも問題なく楽しめると思います。さくさくっと進むので、続きが気になって一気読みしました。ホームズとワトソンも中に何回も登場しますので、シャーロキアンは一読の価値ありかと!(私も自称シャーロキアン)メアリーとワトソンの結婚までの背景やハドソン夫人が考えていること、身の上話は、ドイル作品ではメインに語られること少なかったので。フィクションではありますが、読んでいて楽しかったです。

ストーリーの構造に関しては、非常に興味深いです。作品の始め方がうまいなあって思いました。デビュー作って感じが全くしないので、次にまた執筆されたら、是非読んでみたいと思いました。翻訳も不自然な所すくなくて比較的他の翻訳作品に比べれば、読みやすいと感じました。

 

 

 

f:id:vanessa0131:20201122191407p:plain f:id:vanessa0131:20201122191453p:plain左より

♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 (著者:ローリー・キング)

♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 マリアの手紙(著者:ローリー・キング)

 

愛弟子はシリーズもので全部で6?作でしたかね。。

謎に2作目をとばして1、3作品から読んでみました。(理由はないんです。笑)

1冊500ページ超えのなかなか読み応えのある作品です。

これもホームズのオマージュ作品。

 

まず一作目について。

♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子

あらすじ:

メアリ・ラッセルがシャーロック・ホームズに初めてあったのは、1915年、サセックスの丘陵でだった。そのときメアリは15歳。ホームズはすぐに彼女の優れた資質を見抜き、探偵に必要なことを教えこむ。それはメアリが成長して、オックスフォードで学ぶようになっても続いた。当時、ホームズはロンドンを離れ、のんびり養蜂業を営んでいたが、またもや難解な事件が起こる。すぐさまメアリの修業の成果が問われたが……(抜粋)

 

感想:完全にフィクションのフィクション作品ですが、ホームズが助手と出会い共に事件解決にワトソン以外と手を組むという驚きの設定です。

スリル満点。ホームズの人格もうまく表現されていて、推理で事件を解決していく典型的なストーリー構成ですがかなりのクオリティでした。

とても面白かったです。

ただ人物の背景、心理がかなり細かく描写されているので、最後の方はわりと

要点だけ読むと言う私の悪い癖がでてしまいました。

最近集中力の低下を実感してます。(個人的な悩み)

翻訳について、山田さん訳をよみましたが、正直なかなか読みにくい日本語だと感じました。

原文はきっとこうなっているんだろうと想像できる日本語が何箇所も散見されました。

山田さんは素晴らしい翻訳者だと心から尊敬しているんですが、何冊も同じ訳者の作品を読んだ読者の率直な意見として、この作品はいまいちでした。私には訳せないので訳せること自体脱帽なのですが!!

 

二作目について(シリーズ3作目)

♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 マリアの手紙(著者:ローリー・キング)

 

あらすじ:ホームズと結婚したメアリのもとへ、かつてエリコで出会った女性考古学者のラスキンが訪ねてきた。彼女がもってきたマグダラのマリアの手紙は本物だろうか。

二人がその真贋を確かめようとしていた矢先、ラスキンが殺害されてしまう。

新婚のホームズとメアリはこの事件に巻き込まれて、ラスキンが殺害された真相と、彼女から預かった手紙について調査を開始する。

 

感想:そうなんです。ドイルのオリジナルからしたら、ありえない設定!ですがフィクションだからなんでもあり。笑 面白い設定だと思って読みました。ホームズって女嫌いで女性の地位を認めないという人物でありましたが、結婚していました。そこが斬新でした。

これも中身すごくぎっしりの読み応えありです。

時代が第一次世界大戦らへんで、その頃の男女格差やイギリスの情勢が描写されていましたが、ここらへんに知識があるともっと現実的に読めたのではないかと感じました。(勉強不足)

そして、扱う題材に関して一言でいえば、宗教色かなり強いです。

波にのれば次が気になってしまって、没頭できますが、乗れないとなかなか進まないんです笑

前作よりも私は、時間かかりましたし、かなりよみづらかったです。

思うのですが、キリスト教の最低限の知識(聖書にでてくる有名な神話など)は仕入れてから読むべきだったかなと感じます。無宗教の私には、聖書の中の言葉と事件の事象がどうリンクしているかは、調べてから気づきましたので。笑

内容は難易度高めと評します。

 

♦︎ガウディの鍵  (著者:エステバン・マルティンアンドレウ・カランサ)

 

あらすじ:2006年、バルセロナ。美術史研究者のマリアには、老人施設で暮らす認知症の祖父がいた。ある日祖父はマリアへ「自分はガウディの後継者である。1926年に事故死したガウディは敵に暗殺された」と打ち明ける。祖父はマリアへガウディから託された「鍵」を託す。

祖父の話に困惑するも言葉を信じて手がかりを探していくが次々に事件が起こる。

実在するガウディ建築を舞台に、壮大なスケールのミステリ。

 

感想:完全に宗教・神話と建築に話がフォーカスされている。そこにかなり過激な暴力要素が加わったミステリ。拷問など過激な要素もあるので苦手な方は別の作品を読んだ方がいいと思います。半分ぐらい神話についてだったかもしれません。

上記にすでに記載したホームズシリーズもパレスチナ、エリコなどを舞台とする描写があるのでなんとなく被っていますが、この作品は、実在したサクラダ・ファミリアを設計した有名な建築家ガウディについてのフィクションです。集英社のものを購入しましたが、巻末に、ガウディの簡易な生い立ちをまとめたものや、彼が建築を手がけた建造物についての解説があるので、物語を読む前に、目を通した方が理解しやすいかと思います。

これもゾクゾクする展開が多く、ミステリの時系列もうまい具合に混ぜられていて、没頭して読むことができました。

しかし、神話に基づいたストーリーがかなり多く、この領域に無知な私は結局マリアが鍵を託された理由や何世代もお告げの成就までに待つ必要があった理由などがなんとなくもやっとしています。笑 これに関しては再読しても100パー理解できる知識が今の私にはありませんので、徐々に知識を広げていけたらいいなあと思っています。

キリスト教、聖書、神話にでてくる生き物、錬金術などなどが話の主要素になっています。

また、建築に興味がある方は、サクラダファミリアについてかなり詳細に描写がありますのできっと興味深い内容だと思います。

なんかね、この小説を映画化したらきっとダヴィンチコード的なものができあがると思います。笑 儀式=ダヴィンチコード。笑

 

 

♦︎アノニム  (著者:原田 マハ)

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原田マハさん最新作だったので、しかも抽象の現代アートが題材ということで

購入しました。

 

あらすじ:舞台は香港。建築家の美里は、仲間と共に香港のオークション会場へ出向く。

オークションの一番の目玉は、ジャクソン・ポロック作の「ナンバー・ゼロ」

幻の傑作といわれたこの作品に驚くほどの高値が予想されていた。

一方、アーティストを夢見る香港にすむ男子高校生の英才のもとへ謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロックを見てみたいか?」その言葉に惹かれて英才は窃盗団へコンタクトをとる。そこで、英才が経験することとは一体、、、。

 

感想:アート・エンタテイメントです。

他の作品に比べてなんとなく、ライトな感じでまずまずな感じでした。

舞台が現代の香港とあり、学生によるデモなどの社会情勢も描写されており見聞を広げてくれるといった面では、良書なのかもしれません。

が、300ページほどの中身で登場人物の数が多いなりにそれぞれの人物の描写が構築される前に話が終わってしまうのがすごく残念です。サブキャラが多くて誰だっけって何回もなりました。私の記憶力の問題もあるんですが。笑

そして、ジャクソン・ポロックにもっと言及された作品かと思ったらそうでもないですし、何より、ありきたりの言葉でできた既にに読んだことがあるような作品でした。

くさいセリフが多いのももちろんですが、出来事が全部都合よく進みすぎている点、起伏があまりない点と、現実に即した社会的描写があるにも関わらず現実ばなれしたキャラクター設定とストーリー性にかなりの矛盾を感じます。最後の結末も、「どうして彼に(英才)?」と腑に落ちませんでした。

ちなみに「世界を変える」という言葉が何回もでてきますが、具体的にどう変えるのか、どのように変えるのか、明かされず、抽象的なまま完結してしまっているので、かなり印象が薄いように感じます。英才の家庭環境などもでてきますが、それが彼の人格形成やアートにどう影響したかも全く言及されていなかったですし、ポロックの作品がどうしてここまで評価されているのかという点も話に盛り込んでほしかったです!

美里の仲間は7人いますが、3ー4人が限界ではないかと勝手に思っております。

 

 

 

 

今回も読んでくださりありがとうございました。

もう11月も1週間しかありませんが、11月は読み切った本1冊しかないです。笑

TBRはたくさんですが。。

 

では素敵な日をすごしてください♫

 

 

 

 

 

 

ゴッホは欺く(上)(下)By Jeffry Archer

こんにちは。

上下あわせて700ページ程度の文庫本で、読みましたが本当におもしろい!

約7日間で読破しました。

さっそく、上下合わせて軽く紹介していきますね😁✳︎

 

 

 

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ゴッホは欺く Jeffrey Archer著

下巻も表紙似ています。笑

 

作者;Jeffrey Archer

1940年英国生れ。1966年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー

その後、知人のスキャンダルに巻き込まれ、一時は刑務所ぐらしとなる。

獄中、実体験をもとに描かれたとされる「百万ドルを取り戻せ」を処女作とし小説家デビューを果たし以後、たくさんのベストセラーを執筆。絵画のコレクターとしても知られるジェフリーの作品は、一見原田マハさんの、「楽園のカンヴァス」と作風に共通する部分も少なからずありました。

 

ゴッホは欺く」も、彼の代表作ですが、彼の作品をちゃんと読んだのは、今回が初めてでした。ミステリーはテンポよく、歯切れが良く、おわりもちゃんと解決って感じでしたので、典型的なミステリー読者にはオススメ。

 

あらすじ11テロ前夜、英貴族ウェントワース家の女主人ヴィクトリアは、破産寸前の家計に悩んでいた。双子の妹アラベラに手紙を書いているところに賊が侵入し、首を切られて命を落す。犯人は左耳も切断し、著名な美術品蒐集家フェンストンに送った。一方崩落したビルから生還したフェンストンの美術コンサルタント、アンナは、付きまとう男の影に怯えていた。ゴッホの自画像を巡る会心作。

 

ちなみに、下巻では、さらに話が進んで、アンナを中心にゴッホめぐる冒険?が繰り広げられます。上巻のネタバレなしでは、下巻のあらすじ書けないので、まずは、上巻を読んでみてください♪

 

f:id:vanessa0131:20201010150151p:plain 作品の軸にもなった

有名なゴッホの自画像について、作品の詳細な背景は謎が多く、

いろいろ推測しながらこの作品を読み進めていくのも楽しい。

自画像について:後期印象派

1889年の作品。アルル在住時の耳切り事件の後にかかれたもの。

当時ゴッホはアルルを活動拠点とし1888年から、ゴーギャンと黄色い家で共同生活をしていた。二人は個性が強く衝突も多かったといわれ、耳切り事件は、ゴーギャンゴッホの自画像の耳の形についてからかったことに、怒ったゴッホが自らの耳たぶを切り落としたとされている。

 

そんな自画像が信じられないくらい高価なので、大金がからむとなると

いろんなことが起こります。笑

ちなみに、ゴッホは日本の浮世絵をはじめとする美術に強い影響を受けた画家として有名ですが、この作品にその事実に絡めて、キー人物として、日本人が登場するのですが、イギリス人からみた日本人ってこんな感じなんだという日本人へのイメージが随所で表現されていておもしろかったです。少しの間ですが東京が舞台になる場面もありなんだか親近感がわきました。

 

読んだ感想:舞台はイギリスやルーマニアが中心。ニューヨーク、日本も途中ででてきます。

ミステリー要素としては、上巻の本当にはじめの方で、ヴィクトリア殺人の犯人はわかりますが、そこから事件の全貌が少しずつ明らかになっていく過程がとにかくおもしろかったです。

伏線の回収劇でした。笑

伏線も比較的わかりやすいものが多く、長年ミステリーやサスペンスを読んでいる方なら、推測できるところもあることは否定できませんが、、笑

ファーストーペースです。次々にいろんなことがおきていく。

一度読んだら気になって、なかなか辞めれませんでした。笑

名画サスペンスといわれているだけあって、ゴッホだけでなく他の画家たちも

作中に少し登場するので、興味があれば楽しさアップです!

個人的にはセルゲイの勇敢さ、強さに一番感動し、クランツが処刑にならないかとずっと願っていました。

殺し屋がでてくるストーリーは、苦手で映画などでは、見れないので、この作品も小説だからセーフでした。笑

結構、残酷なシーンが含まれているので、苦手な方は注意です。

 

 

他の著書もよんでみたくなったので、またブックオフ巡りをしようかなあ〜と

思います。

 

 

最後まで、よんでくださりありがとうございました。

 

 

 

 

2020/9/wrapup

こんにちは♪

9月は転職に、体調をくずしたり大変な一ヶ月でしたが、

通勤時間が長い分、なんとか読書も続けることができました。笑

電車で本を読むとすごく酔う?のは私だけでしょうか?

酔わない時もあるので、疲れとかが関係しているのかもしれません。

朝は満員すぎて、本すら開けないのが事実ですが、笑

 

今月読み切った本は冊。

 

・Butter(柚木 麻子著)

・WHERE THE CRAWDADS SING(Delia Owens著)

独立記念日(原田 マハ著)

・まぐだら屋のマリア(原田 マハ著)

 

今月は良書が多くて嬉しい。

原田マハさんは、今まではずれがなかった。友人にすすめられて、すごくはまってしまってます。笑

上記二つの本については、すでに他の記事でレビューをしていますので、今回は残り二つの原田マハさんの作品2つについて、読んでみた感想や、本の概要を記載させていただこうと思います。

 

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2つとも、表紙カバーは名画で、あまり作品には関係ないと思いますが

なんとなく原田さんといえば美術関係の小説が多いのでイメージとしてはしっくり。❤︎

出版社によってカバー違いますが、今のところ自分が購入したもので、満足です。

 

では、独立記念日から。

 

 

独立記念日 原田 マハ著

作品:24つの作品からなる短編集。

   2010年に刊行された別のタイトル(インディペンデンス・デイ)

   を改題した作品で1版は2012年に出版。

 

全357ページ(PHP文芸文庫)

 

作品概要:「独立すること」「一歩踏み出すこと」に焦点をあてた作品。

     語り手は皆、女性で恋愛・結婚・仕事・別れ・大切な人の喪失など

     それぞれの人生において、悲しみ・迷い・不安を抱えている。

     そんな彼女達が、新しい出会いや発見によって抱えていた悩みから

     自由になる軌跡をいろんな視点で、みることができる。

     それぞれの話は、別の話であるが、前の話の登場人物が次の話の語り手に

     なっていたりしていて、興味深い構成。

 

 

読んでみた感想:短編集なので読みやすく、かといって短編だから話が完結しないまま終わるなんてこともなく、とても読みやすかったです。いろんな話が入っているから、共感できるものも多く、読んでいておもしろかったです。真剣なかなり込み入っている話よりも、軽い気持ちでさくさくっと読みたい人向けだと感じます。決して内容が軽く浅いという意味ではありません😀本に託されたメッセージは、とても強く印象的でした。

たとえば、本の主題になっている「独立」とは「自由になること」と作品中で述べられています。生きていく中で、悩むことや、苦しいことって避けては通れないと思いますが、そんな自分を窮屈にするものから、いかに解放されて自由になるか。これが作品共通のテーマであり私たちの生活の中でとても大切な視点ではないかなあと感じさせられます。

そして自由になるためには、時には手放すこと、あきらめることが必要な時も。

あきらめること=逃げること ではないんです。

なぜなら、手放す、あきらめるとは時にしがみついていくよりも、もっと勇気がいることである場合が多いからです。

いろんな人物が、迷いながら前進していく姿を読んでいくことで、いろんな人生の断片を追体験することで生きることができる作品です。自分も頑張ろう!失敗しても大丈夫!と

いろんな意味で、活力をくれる作品でした。

 

 

 

 

まぐだら屋のマリア 原田マハ

カバー:《見よ、われは主のはした女なり(聖告)》

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ (テート蔵)

 

作品:2014年初版出版 全377ページ(幻冬舎文庫

ジャンル:フィクション

 

あらすじ:東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った…。過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。

ー(Bookデータベースより引用)

 

私も美術には精通してませんが、あんまり作品と密接に関わりがあったわけではないですが、ざっくりカバーにでている作品について記載します。

 

《見よ、われは主のはした女なり(聖告)》は、(制作年1849~1850年)ロセッティの作品です。ロセッティは、ラファエル前派の創立重要メンバー。ラファエル前派とは19世紀中期にイギリスで結成された芸術家集団のことです。ラファエルはルネサンス盛期のイタリアの画家だったと思いますが、ルネサンスの三代巨匠のうちのひとり。その「ラファエロ以前の芸術を重んじる」というのがロセッティが結成したラファエル前派です。

この作品は、キリスト教の有名な主題「受胎告知」すなわち大天使ガブリエルが聖母マリア

イエス・キリストを妊娠したことを告げる場面のもの。受胎告知のエピソードは『新約聖書』において重要な場面でありルカ福音書にそのエピソードが記載されています。

宗教芸術では受胎告知は人気のテーマであったがゆえ、ロセッティの解釈が他の画家と違い、マリアの表情が妊娠を喜んでいないように見えるなど伝統から逸脱していたため、批判が大きかった作品らしいです。洗礼者ヨハネなど、聖書にでてくる人物名が、作品中にもでてくるので、注目です。

 

長々かきましたが、今回の作品は美術史は舞台ではなく、料理人が主人公でした。

結論からいいますと、この本はメッセージ性が強く、かなり(いい意味で)重かったです。

電車で読んでて2回ぐらい、泣きかけました。笑

感動しました。

食べることがなんて奥深く素晴らしくそして生きる上で重要な意味を持っているか。

そして作中のまりあのように、自分んの過去とどう向き合っていくか。

自殺未遂をしたものへ「死んで楽になるぐらいなら、生きて苦しみ続けろ」といったセリフがでてきましたが、衝撃が強すぎました。内容をかかずに、この文章の意味は言えませんがぜひこの意味を作品を通して、見出してくださればと思います。

そして、マグダラのマリアと作品にでてくるまりあとの、共通点!!

ここが寓話的で、本当にうまく、人物を描いておられて素晴らしいと感じた点です。

ここで、名画との関連がでてくるわけでした。

長編感動映画を2本だてでみたぐらいの、感動を味わえた作品でした。

 

 

 

 

 

 

本日も最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

ザリガニの鳴くところ(WHERE THE CRAWDADS SING)by Delia Owens

『WHERE THE CRAEDADS SING』-邦題(ザリガニの鳴くところ)

著者:Delia Owens

 

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左:今回は原書(英語)で読んでみましたが、翻訳された作品も興味がありますので購入をかんがえています☺️右は早川書房出版のカバーです。

どちらも作品のイメージ通りで気に入ってます♪

 

ジャンル:文学/青春

要素:ミステリー/恋愛

舞台:1952年-2009 アメリカ南部の湿地帯

著者:Delia Owens アメリカのジョージア州生まれ。動物行動学の博士であり、ノンフィクション3作を本作出版前に執筆。

69歳の時に初めてのフィクションを執筆したのが本作品。

 

あらすじ:ある日2人の少年がノースカロライナ州の湿地で発見したのは、男の死体だった。

その湿地の中で幼い頃より生活をしていたのは、村の人々から「湿地の少女」と疎まれていたカイア。暴力的な父によって母はカイアと兄弟を捨てて家を出ていき、他の兄弟もみんな湿地をはなれ、カイアは孤独に湿地で懸命に生き続けなければならなくなってしまう。学校に通わないカイアは文字が読めないが、湿地に生息する動物や湿地に関することには精通していた。兄の知り合いであるテイトという少年に出会い、読み書きを教わり彼女の人生は変わりつつあった。そんななか、彼女に好意を寄せていた村の裕福な青年、チェイスとの出会いは彼女の孤独な生活に希望の光を照らしてくれる。しかし、2人の少年が湿地の中で死体を発見した事件の捜査が本格化し、カイアが疑いの目を向けられることになる。

美しい湿地の中で孤独と共に生き続けてきたカイアと事件が交わる先に見える真実とは何か。

 

 

以上、作品紹介になります。以下より個人的な感想・意見です。

⚠️ネタバレありますので、未読の方は注意です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想:とにかく情景・世界観が綺麗で私もボートにのって湿地帯探索したい!と感じました。

文章表現のみでこの世界観を創造する著者の表現力は圧巻です。

f:id:vanessa0131:20200927133849p:plain 勝手な創造ですが個人的にはブックカバーにあるように、こんな湿地を描きながら物語を読み進めていました。たった一人で魚をとってボートに乗って魚と売ったお金でグリッツ(翻訳ではトウモロコシがゆとされてました)と交換し食をつないでいた生活は、想像できないぐらい過酷であったと思います。7歳からそんな生活をしているなんて現実では考えられにくいですが、設定の年代の南部アメリカなら想像できますね。。

カイアがビーチで毎朝えさをあげているカモメの情景がこの本の中でとてもお気に入りです。友達も家族もいない孤独の中でカイアはテイトやチェイスに出会う前までその心の隙間を埋めるようにカモメ達へ語りかけていました。本当にどの場面も美しすぎました。

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少しそれますが、え?テイトかっこよすぎました❤︎何年も経って、まだ好きでいてくれて本当に優しさでできた人間。笑 カイアが刑務所の中でテイトへひどくあたった時でさえ、刑務しぃ生活は人間をこんな風に変えてしまうんだ。ってテイトは言っていましたが、理解力めちゃくちゃありすぎてて、こんなできた人間どこを探せばいるんだってぐらい成熟してました。私の人生のロールモデルです。笑

そして、カイアが父のように慕っていたボートの燃料供給所のジャンピンは、黒人で、作品の中でも差別を受けて石を投げられたり、罵られている場面ありますが、差別が根強く残っている南部アメリカの物語は今の時代だからこそ読むのもいいかもしれませんね。

また、ジャンピン夫妻のカイアに対する愛情とても感動的で作品の見所でもあります。たくさんの村人は湿地に住む汚れた少女カイアを疎ましく思っていましたが、中にはカイアへ優しくする村人もいてあらゆる場面で人間の愚かさと愛情が表裏一体として描かれている部分もかなり深くて良かったですね!

冒頭で、ミステリー要素が含まれているとかきましたが、この本の中心はミステリーではないですが捜査とカイアの過去が2つのタイムラインで描かれていて結局あの死体(チェイス)は事故だったのか、殺されたのか、殺されたとしたら犯人は誰かとわくわくしながら、読み漁りました。笑 チェイスは、親に体裁上無理やり結婚させられたのかな〜だからカイアのことまだ好きだったけど叶わないから自殺したのかなあ〜なんて最後まで思っていましたが、あっさり最後に予想が裏切られてスカッとしました。笑これがフィクションのデビュー作とは考えられない構成ですごいなあと感銘を受けました!

テイトが最後に詩と貝殻のネックレスを見つけた瞬間に全身に鳥肌がたちました。が、カイアの過去と自然界の淘汰の視点を持って考えるとカイアがチェイスにしたことを全面に否定できない自分がいます。その自然界に中での生き物のあり方?はカイアが目にするいろんな鳥や植物、昆虫の生態や行動、そして月の満ち欠けや波の変動よりカイア自身が身につけた視点であり、私には全くなかったものでした。

かなり大きく人間を生物として捉え、自然界の1生命に対して平等にみている彼女のぶれない考え方は、考えさせられました。長々書きましたが、この本の魅力は、自然と人間が融合されて描かれていることであり、その中で懸命に生き抜く人間(カイア)の生命力の強さ・人間らしさ・愛・自然の美しさは、私がこの本をみなさんにおすすめしたい最大の理由です♪

自然が主役の作品はフィクションではかなり珍しいです。

フィクションを執筆するにあたり、真の主役を自然の美しさにフォーカスした著者は、本当に動物・自然がお好きなんだとこの本を読むだけでも伝わってきました。

アメリカへは行ったことはありませんが、いつか訪れる機会があればぜひ、ノースカロライナへ足を運びたいと感じました。

 

 

 

 

以上です。

読んでくださりありがとうございました。

明日から平日ですね!たくさん働いて、美味しいものたくさん食べて、いっぱい寝て人間生活謳歌しましょう❤︎

 

Have a good day.

 

 

 

Butter By 柚木 麻子

f:id:vanessa0131:20200920201314p:plain こんばんは!長らくレビューをかけませんでしたが、先週初めて今更ですが、柚木さんの有名な作品『BUTTER』を読み終わりました。

たくさんの方がすごく良いといろんな所でいっているのを聞いていたので、いつか読もうと購入していましたが読まずに何日経ったことでしょうか。笑

私の方は、最近ようやく転職することができました。中途採用での入社もあって同期もゼロですがなんとか頑張っています。コロナで大変な時期に頂けた内定なので絶対に手放したくありません!笑

 

さて本題です。

ご存知の方も多いと思いますが、さらっと作品のあらすじをざっくり書いておきます。

 

あらすじ:男性3人を殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。年齢も、若くなく容姿端麗ともいえない彼女は男性とのデートを生業としていた。女性としての自分への自身に溢れた態度は世間の批判の的となる。そんな梶井の取材をしていたのは女性記者の里佳。彼女には忘れられない過去があった。付き合っていた誠との何気ない会話に違和感を感じていた彼女は、取材を通して梶井と出会うことで、彼女自身が今まで気づかなかったことをどんどん発見するようになる。そして梶井が影響を与えたのは、里佳だけでなく里佳の周囲の人間までも巻き込んでいく。

 

 

 

 

 

ここからネタバレあり

 

サスペンスかなって思いますがサスペンスは作品のフォーカスではなく、おおきーーくいうと社会的問題にフォーカスしてました。フェミニズムや現代人が抱える悩みや問題を扱った長編ストーリー。500ページ超えていたかな?通勤中にこちょこちょしか読めなかったから2週間ぐらい読むのにかかりました。笑(遅)

最初の数十ページは、なかなか進展がなく正直少し退屈だなあっと思いましたが、読み進むにつれてどんどん引き込まれました。どうして引き込まれたか考えてみました。

まずいろんなキャラクターに共通して共感できる部分が多かったこと。

20、30代女性なら特に里佳の視点にたって共感できることが多いと思います。

私自身がそうでした。誠と別れたあと「もう一生結婚しないかもしれない。それでもいいかもと思えた。」と令子に告げる場面がありますがそれに対する令子の返答が心にしみました。笑これは是非、ご自分で読んで知った方がインパクトがあるのであえてここには書きません。

周りがどんどん結婚・出産・引っ越しをしていくと、結婚していないという事実がなぜだか置き去りになっている感じがしますが、そんな人にこそ読んでほしい作品でした。

良い意味でこんな考えや見方があるんだなあと、興味深いです。

柚木さんの人物の心情の移り変わりの描写は本当にさすがでした。読み進むうちに、その人物ともう何年も知り合った友人のように心の中で、像ができあがっているんです。

次によかった点は、容疑者である梶井の言動や態度の変化を通して著者が訴えているメッセージです。

「あれほどまでにバリアを張り巡らし、強靭な精神力で自己肯定し続けなければ、胸を張って生きることが困難な程、この世界の容姿に対する基準は厳しいのだ」本文一部抜粋

梶井に対しての里佳が思ったことが描かれていましたが、まさにそうですよね。

SNSの発達やその他情報社会の中で生きる私たちは常に、”かわいい・綺麗・女性らしさ”という時代が作り出した枠組みの狭い箱の中にいています。

時代・国が違えば、綺麗の基準がずれるように、見る人がかわればものの基準・価値が変わるように、常に美というものは変化していますね。そこに追いつくためにみんな頑張ってダイエットをするし、整形手術をするし、胸を大きくしたい人も大勢いる。

大変だし、生きにくいですよね。

作品の中では、梶井は自分のふくよかな体型についてこう言及しています。

「私は自分が食べた好きなものからできたこの体が大好きよ」と。

細い=美

の文化の中で生きてきた私にとって、生きやすさを教えてくれた本かもしれません。

 

結局梶井の容疑は明確に事実を語られることがなく、ミステリー読者としてはややもやっとしましたが、毎日を丁寧に生きること、自分を愛することの大切さ、女性としての美に関して著者の視点や考え方が物語を通して明確に著されています。

そういう意味では、良書でした。

とても良かったし、映画化してほしいなあと思いました!

 

次は何を読もうか〜。

洋書よみたいけど文庫本じゃないと通勤には重すぎて持ち運びたくないし、秋だからハードブックで買ったミステリーも読みたいし。。笑

おすすめあれば教えてください♪

 

 

 

 

 

 

読んでくださりありがとうございました。

そういえば、本日は祖母の誕生日。惜しみなく愛情を注いでくれる優しい祖母の存在にありがとうでは足りない気持ちでいっぱいです。どうか健康でしあわせな毎日が続くように、たくさん会いにいこうと思います💜

 

ではまた今度💚

 

横道世之介 by 吉田修一

友人からの勧めで貸してもらい、一読致しました^^

横道世之介

 

f:id:vanessa0131:20200818004116j:image  すごくよかった!

 

吉田さんの作品はあと悪人もすごい有名で気になっていましたが、初めて読んでみて興味深かったです。

 

始めにこの作品の素晴らしいところを強調するとしたら、人物描写が本当に生き生きしているところです。まるで何年も前から登場人物みんなとまるで知り合いかのように、自分の中でできあがっていました。😂セリフやナレーションからそれぞれの性格や心情をうまく読者に投影できるのは作家としての腕の見せ所ですよね !その点ではたくさんの方から支持されて映画化もされた理由に納得でした。

祥子さん役は吉高由里子なんですね^^

わたしの中では吉高由里子さんは金麦のコマーシャルの元気っ子イメージだから、若干キャラが相違するんですが 😂笑

一度映画も拝見しようと思います。

 

本の内容は、主人公世之助18歳が長崎から東京へきて大学に通いながら、いろんな人達と出会いいろんな経験をしながら世之助自身も成長していく過程を描いた青春小説。かなりざっくり。ページ数は400ページを超える長編でしたが章は12にそれぞれ綺麗に分かれているので、ストーリーを見失うことなく比較的読み易い構造だと思います。

語彙も難解なものもとくになく、至る所でふっと笑ってしまうようなセリフもあり、言葉の選び方が絶妙で本当の意味でおもしろかったです。

 

 

 

 

 

ここからは、ネタバレ含みます。

倉持くんが個人的にお気に入りなんですけど、

迷いながらもいろいろ、大切なものは何かってぶれずに持っていてまだ20歳とは信じられない行動力で驚きでした。

自分が20歳は全然そんなことなかった!笑

唯の妊娠がわかった時も、両親の大反対や学業、金銭的問題と超えるべき壁は本当に高く、自分の体裁もあったと思いますが、彼女への気持ちをぶれることなく持ち続け、出産という決意をした時には、本当に感動しました。

若くてもしっかり考えて行動していて世之助はいい友達を持ったなあと 勝手に解釈していました。笑

世の中には妊娠がわかった途端に音信不通になる男性も少なからずいるわけで、倉持くんのような若者がもっと実社会に増えれば、悲しむ人もきっと減るだろうなあ なんて感じます。

最後らへんにひょこっと、キムくんと、世之助の最期が描かれてますが、キムくんにも家族、婚約者、友人がもちろんいて、世之助にも世之助を大切に思う家族がいて残された家族の気持ちを考えると痛たまられないですね。

急でしたからね ( ;  ; )

そのあと世之助のお母さんが祥子宛にかいた手紙の内容に心温まりました。

 

 

 

 

 

たくさん素敵な経験ができた本だったとおもいます。読まれた方は是非感想を教えてください♪

次は、They both die at the end を読み切るのが目標です! 笑

 

 

閲覧ありがとうございました。

 

 

話自体は青春小説とだけあって、大きなストーリーラインに変化はあんまりないんですが、全然退屈せずに読めました。

自分の学生の頃と重ねてみて、共感できることや逆に経験したことのないことを想像しながら読んでいたので、すごくすごく楽しい時間を過ごせました。