横道世之介 by 吉田修一
友人からの勧めで貸してもらい、一読致しました^^
すごくよかった!
吉田さんの作品はあと悪人もすごい有名で気になっていましたが、初めて読んでみて興味深かったです。
始めにこの作品の素晴らしいところを強調するとしたら、人物描写が本当に生き生きしているところです。まるで何年も前から登場人物みんなとまるで知り合いかのように、自分の中でできあがっていました。😂セリフやナレーションからそれぞれの性格や心情をうまく読者に投影できるのは作家としての腕の見せ所ですよね !その点ではたくさんの方から支持されて映画化もされた理由に納得でした。
祥子さん役は吉高由里子なんですね^^
わたしの中では吉高由里子さんは金麦のコマーシャルの元気っ子イメージだから、若干キャラが相違するんですが 😂笑
一度映画も拝見しようと思います。
本の内容は、主人公世之助18歳が長崎から東京へきて大学に通いながら、いろんな人達と出会いいろんな経験をしながら世之助自身も成長していく過程を描いた青春小説。かなりざっくり。ページ数は400ページを超える長編でしたが章は12にそれぞれ綺麗に分かれているので、ストーリーを見失うことなく比較的読み易い構造だと思います。
語彙も難解なものもとくになく、至る所でふっと笑ってしまうようなセリフもあり、言葉の選び方が絶妙で本当の意味でおもしろかったです。
ここからは、ネタバレ含みます。
倉持くんが個人的にお気に入りなんですけど、
迷いながらもいろいろ、大切なものは何かってぶれずに持っていてまだ20歳とは信じられない行動力で驚きでした。
自分が20歳は全然そんなことなかった!笑
唯の妊娠がわかった時も、両親の大反対や学業、金銭的問題と超えるべき壁は本当に高く、自分の体裁もあったと思いますが、彼女への気持ちをぶれることなく持ち続け、出産という決意をした時には、本当に感動しました。
若くてもしっかり考えて行動していて世之助はいい友達を持ったなあと 勝手に解釈していました。笑
世の中には妊娠がわかった途端に音信不通になる男性も少なからずいるわけで、倉持くんのような若者がもっと実社会に増えれば、悲しむ人もきっと減るだろうなあ なんて感じます。
最後らへんにひょこっと、キムくんと、世之助の最期が描かれてますが、キムくんにも家族、婚約者、友人がもちろんいて、世之助にも世之助を大切に思う家族がいて残された家族の気持ちを考えると痛たまられないですね。
急でしたからね ( ; ; )
そのあと世之助のお母さんが祥子宛にかいた手紙の内容に心温まりました。
たくさん素敵な経験ができた本だったとおもいます。読まれた方は是非感想を教えてください♪
次は、They both die at the end を読み切るのが目標です! 笑
閲覧ありがとうございました。
話自体は青春小説とだけあって、大きなストーリーラインに変化はあんまりないんですが、全然退屈せずに読めました。
自分の学生の頃と重ねてみて、共感できることや逆に経験したことのないことを想像しながら読んでいたので、すごくすごく楽しい時間を過ごせました。