10月に読み切った本について
こんばんは。
コロナがぶり返して大変な三連休ですが、早く治るといいですね。
買い物に出かけたかったですが、我慢です(;_;)
お家の中で、映画をみて読書をして掃除をしてゆっくり体を休めるとします。
最近は残業が多く、平日はほぼ本を読む時間が取れていませんが
10月に読んでみた本について記録しておきます。
5冊で、ほぼ全てが探偵小説です。
順不同で、記載させていただきます。
♦︎ベイカー街の女たち (著者:ミシェル・バークビイ)
♦︎ガウディの鍵 (著者:エステバン・マルティン、アンドレウ・カランサ)
♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 (著者:ローリー・キング)
♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 マリアの手紙(著者:ローリー・キング)
♦︎アノニム (著者:原田 マハ)
10月はハロウィンということで?主にミステリーものを読みたかったですが、偶然古本屋で見つけたシャーロック・ホームズのオマージュ作品を見つけて読んでシャーロック・ホームズ熱が再燃し、結局ホームズもの3作にクライムノーベル2冊(アノニムはクライムノーベルではないですが)と路線変更しました。
♦︎ベイカー街の女たち (著者:ミシェル・バークビイ)
ミセス・ハドソンとメアリー・ワトソンの事件簿
あらすじ:ロンドンの街で秘かに起きている、既婚の女性を狙った薄汚い恐喝事件。名探偵ホームズに依頼を断られ、意気消沈した女性を救うべく、ハドスン夫人とメアリーはホームズとワトスンに内緒で調査を始める。しかし、彼女達が足を踏み込んだ事件は次第に危険な方向へ向かいついに惨殺死体を発見することになってしまう。ミセス・ハドソンが語る知られざる女たちの冒険。
原点へのオマージュ満載の本格ミステリ調。(一部、KADOKAWA公式サイト、著書より抜粋)
感想:ざっくり言うと、ホームズの相棒ワトソンの妻であるメアリーと、ホームズの下宿先の家政婦ハドソンがホームズとワトソン達に頼らずに事件を解決していくというお話です。
著者はこの作品がデビュー作とのことでした。
カバーのイラストがとても素敵ですね。ページ数は400と少し。(角川文庫)
内容自体は、ホームズファンとして読むなら物足りなさは否めません。笑
コナン・ドイルの作品と比べると扱われている犯罪は少々スリルが足りない?
私の理解力の乏しさが大きく影響されてますが、ここはなんでこうなの?って所が何箇所かあって再読してみようと思っているぐらいです。笑(結局しない)
唯一のクレームは、扱われている犯罪をしっかり完結してほしいのと、中身を詰めて欲しかったってことです。白黒はっきりさせたい個人的な嗜好なので。。
が、とてもストーリーの流れが良くて、登場人物も常識的な数なので、ミステリーを追うのが苦手でも問題なく楽しめると思います。さくさくっと進むので、続きが気になって一気読みしました。ホームズとワトソンも中に何回も登場しますので、シャーロキアンは一読の価値ありかと!(私も自称シャーロキアン)メアリーとワトソンの結婚までの背景やハドソン夫人が考えていること、身の上話は、ドイル作品ではメインに語られること少なかったので。フィクションではありますが、読んでいて楽しかったです。
ストーリーの構造に関しては、非常に興味深いです。作品の始め方がうまいなあって思いました。デビュー作って感じが全くしないので、次にまた執筆されたら、是非読んでみたいと思いました。翻訳も不自然な所すくなくて比較的他の翻訳作品に比べれば、読みやすいと感じました。
左より
♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 (著者:ローリー・キング)
♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 マリアの手紙(著者:ローリー・キング)
愛弟子はシリーズもので全部で6?作でしたかね。。
謎に2作目をとばして1、3作品から読んでみました。(理由はないんです。笑)
1冊500ページ超えのなかなか読み応えのある作品です。
これもホームズのオマージュ作品。
まず一作目について。
♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子
あらすじ:
メアリ・ラッセルがシャーロック・ホームズに初めてあったのは、1915年、サセックスの丘陵でだった。そのときメアリは15歳。ホームズはすぐに彼女の優れた資質を見抜き、探偵に必要なことを教えこむ。それはメアリが成長して、オックスフォードで学ぶようになっても続いた。当時、ホームズはロンドンを離れ、のんびり養蜂業を営んでいたが、またもや難解な事件が起こる。すぐさまメアリの修業の成果が問われたが……(抜粋)
感想:完全にフィクションのフィクション作品ですが、ホームズが助手と出会い共に事件解決にワトソン以外と手を組むという驚きの設定です。
スリル満点。ホームズの人格もうまく表現されていて、推理で事件を解決していく典型的なストーリー構成ですがかなりのクオリティでした。
とても面白かったです。
ただ人物の背景、心理がかなり細かく描写されているので、最後の方はわりと
要点だけ読むと言う私の悪い癖がでてしまいました。
最近集中力の低下を実感してます。(個人的な悩み)
翻訳について、山田さん訳をよみましたが、正直なかなか読みにくい日本語だと感じました。
原文はきっとこうなっているんだろうと想像できる日本語が何箇所も散見されました。
山田さんは素晴らしい翻訳者だと心から尊敬しているんですが、何冊も同じ訳者の作品を読んだ読者の率直な意見として、この作品はいまいちでした。私には訳せないので訳せること自体脱帽なのですが!!
二作目について(シリーズ3作目)
♦︎シャーロック・ホームズの愛弟子 マリアの手紙(著者:ローリー・キング)
あらすじ:ホームズと結婚したメアリのもとへ、かつてエリコで出会った女性考古学者のラスキンが訪ねてきた。彼女がもってきたマグダラのマリアの手紙は本物だろうか。
二人がその真贋を確かめようとしていた矢先、ラスキンが殺害されてしまう。
新婚のホームズとメアリはこの事件に巻き込まれて、ラスキンが殺害された真相と、彼女から預かった手紙について調査を開始する。
感想:そうなんです。ドイルのオリジナルからしたら、ありえない設定!ですがフィクションだからなんでもあり。笑 面白い設定だと思って読みました。ホームズって女嫌いで女性の地位を認めないという人物でありましたが、結婚していました。そこが斬新でした。
これも中身すごくぎっしりの読み応えありです。
時代が第一次世界大戦らへんで、その頃の男女格差やイギリスの情勢が描写されていましたが、ここらへんに知識があるともっと現実的に読めたのではないかと感じました。(勉強不足)
そして、扱う題材に関して一言でいえば、宗教色かなり強いです。
波にのれば次が気になってしまって、没頭できますが、乗れないとなかなか進まないんです笑
前作よりも私は、時間かかりましたし、かなりよみづらかったです。
思うのですが、キリスト教の最低限の知識(聖書にでてくる有名な神話など)は仕入れてから読むべきだったかなと感じます。無宗教の私には、聖書の中の言葉と事件の事象がどうリンクしているかは、調べてから気づきましたので。笑
内容は難易度高めと評します。
♦︎ガウディの鍵 (著者:エステバン・マルティン、アンドレウ・カランサ)
あらすじ:2006年、バルセロナ。美術史研究者のマリアには、老人施設で暮らす認知症の祖父がいた。ある日祖父はマリアへ「自分はガウディの後継者である。1926年に事故死したガウディは敵に暗殺された」と打ち明ける。祖父はマリアへガウディから託された「鍵」を託す。
祖父の話に困惑するも言葉を信じて手がかりを探していくが次々に事件が起こる。
実在するガウディ建築を舞台に、壮大なスケールのミステリ。
感想:完全に宗教・神話と建築に話がフォーカスされている。そこにかなり過激な暴力要素が加わったミステリ。拷問など過激な要素もあるので苦手な方は別の作品を読んだ方がいいと思います。半分ぐらい神話についてだったかもしれません。
上記にすでに記載したホームズシリーズもパレスチナ、エリコなどを舞台とする描写があるのでなんとなく被っていますが、この作品は、実在したサクラダ・ファミリアを設計した有名な建築家ガウディについてのフィクションです。集英社のものを購入しましたが、巻末に、ガウディの簡易な生い立ちをまとめたものや、彼が建築を手がけた建造物についての解説があるので、物語を読む前に、目を通した方が理解しやすいかと思います。
これもゾクゾクする展開が多く、ミステリの時系列もうまい具合に混ぜられていて、没頭して読むことができました。
しかし、神話に基づいたストーリーがかなり多く、この領域に無知な私は結局マリアが鍵を託された理由や何世代もお告げの成就までに待つ必要があった理由などがなんとなくもやっとしています。笑 これに関しては再読しても100パー理解できる知識が今の私にはありませんので、徐々に知識を広げていけたらいいなあと思っています。
キリスト教、聖書、神話にでてくる生き物、錬金術などなどが話の主要素になっています。
また、建築に興味がある方は、サクラダファミリアについてかなり詳細に描写がありますのできっと興味深い内容だと思います。
なんかね、この小説を映画化したらきっとダヴィンチコード的なものができあがると思います。笑 儀式=ダヴィンチコード。笑
♦︎アノニム (著者:原田 マハ)
原田マハさん最新作だったので、しかも抽象の現代アートが題材ということで
購入しました。
あらすじ:舞台は香港。建築家の美里は、仲間と共に香港のオークション会場へ出向く。
オークションの一番の目玉は、ジャクソン・ポロック作の「ナンバー・ゼロ」
幻の傑作といわれたこの作品に驚くほどの高値が予想されていた。
一方、アーティストを夢見る香港にすむ男子高校生の英才のもとへ謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロックを見てみたいか?」その言葉に惹かれて英才は窃盗団へコンタクトをとる。そこで、英才が経験することとは一体、、、。
感想:アート・エンタテイメントです。
他の作品に比べてなんとなく、ライトな感じでまずまずな感じでした。
舞台が現代の香港とあり、学生によるデモなどの社会情勢も描写されており見聞を広げてくれるといった面では、良書なのかもしれません。
が、300ページほどの中身で登場人物の数が多いなりにそれぞれの人物の描写が構築される前に話が終わってしまうのがすごく残念です。サブキャラが多くて誰だっけって何回もなりました。私の記憶力の問題もあるんですが。笑
そして、ジャクソン・ポロックにもっと言及された作品かと思ったらそうでもないですし、何より、ありきたりの言葉でできた既にに読んだことがあるような作品でした。
くさいセリフが多いのももちろんですが、出来事が全部都合よく進みすぎている点、起伏があまりない点と、現実に即した社会的描写があるにも関わらず現実ばなれしたキャラクター設定とストーリー性にかなりの矛盾を感じます。最後の結末も、「どうして彼に(英才)?」と腑に落ちませんでした。
ちなみに「世界を変える」という言葉が何回もでてきますが、具体的にどう変えるのか、どのように変えるのか、明かされず、抽象的なまま完結してしまっているので、かなり印象が薄いように感じます。英才の家庭環境などもでてきますが、それが彼の人格形成やアートにどう影響したかも全く言及されていなかったですし、ポロックの作品がどうしてここまで評価されているのかという点も話に盛り込んでほしかったです!
美里の仲間は7人いますが、3ー4人が限界ではないかと勝手に思っております。
今回も読んでくださりありがとうございました。
もう11月も1週間しかありませんが、11月は読み切った本1冊しかないです。笑
TBRはたくさんですが。。
では素敵な日をすごしてください♫