Bookishdream

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12月前半の読書記録

こんばんは♩

最近とても寒くなってしまって、

なんだか服装がトーンダウンしがちですが、

健康に毎日生きています♩

さて、今月も残り一週間と少しですね( ;  ; )

はやすぎる。

読みかけの本もありますが、とりあえず4冊

よみきりました。

通勤中が主な読書時間になっているため

重い洋書よりも軽くて小さい文庫本ばかりで

全然洋書がよめてないのですが、

今月より読み始めた洋書があるので、

年内にがんばってよみきってレビューをかければと思います❣️

 

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♦︎雨心中 By唯川 恵

♦︎愛しても届かない By唯川 恵

♦︎鏡の迷宮 By E.O.Chirovici

♦︎ふたつのしるし By宮下 奈都

 

 

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♦︎雨心中 By唯川 恵

 

あらすじ:施設育ちの芳子と周也は実の姉弟にように生きてきた。

芳子にとって周也はこの世で唯一「私のもの」といえる存在だ。

周也は仕事を転々としているが、

そんな彼を責めることもできずに

優しく受け入れる。

周也を甘やかしだめにしていると自覚はあるものの

何もできずにいる芳子。

そんなある日、周也がある「罪」を犯してしまう。

それを知った芳子と

周也がとった行動の未来に待ち受けている結末とは、、。

(一部本書より抜粋)

 

感想:ページ数は300後半超えと長く感じますが、

一気に読めちゃいました。

カバーがかわいい感じで興味があったので

購入してみましたが、中身が相当悲しいというか、

重いというか

カバーとの落差がすごいです。笑 

今月唯川さんの本2冊よんだのですが

すごく人の気持ちをリアルに描くのが、上手で

とても引き込まれる文章でかなり評価高いです!❣️

この本では、男女の恋愛については

あまりフォーカスされていないのですが、

1人の人間の他者へのつながりや愛情といったものに、

フォーカスされています。

一見、主人公の芳子の気持ちを理解できないと感じるのですが、

読み進めていくうちに、

芳子の立場にたって考えると感じ方が変わっていました。

あたりまえのように、家族と暮らしてきた自分の立場では、

想像しにくいですが、幼い頃から一緒に暮らしてきた周也との

関係はいくら他人でも芳子にとっては家族と一緒の絆で、

例えば、周也の借金を返すために周也に隠して、

水商売をしていたり

バイトをかけもちしたり、、。

いくら家族のためでもそこまで

体をはって働くことは簡単じゃないし、

周也のことを去るという選択肢ももちろんあったはずですが

一緒に住むことを選んでいます。芳子にとって、

周也という存在が芳子自身の生きる理由?というか

たったひとつのつながりだったのかと感じさせられました。

年齢を重ねるごとに孤独に対して、

敏感になるのは、私だけかもしれませんが、

どんな人も孤独でいきていくことは

困難であると私は思います。この作品の中でも

人間が孤独の中でみつけた他者とのつながりを守ろうと

必死になる姿がよく書かれていて、フィクションならぬ

奥深さがあって、本当に感銘を受けました。

同時に、自分の幸せのために

関係を断ち切れないことって

めずらしいことじゃないと思いましたね!

いろんなレビューで、周也とはやく離れたら、幸せだった

という意見がありました。

結果論になりますが、確かにはたからみればそうだと思います。

が、きっと同じ立場になってみたら、

私もきっと、周也との関係を断ち切れないと感じました。

そもそもそれができたら、苦しんでないよって話ですよね。^^;

だらだら書きましたが、

とても読みやすく、現実味のある物語でした。

重たく、悲しい話です。

 

 

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♦︎愛しても届かない By唯川 恵

 

あらすじ:七々子が好きになった彼には既に恋人がいた。

あきらめきれない七々子がとった行動は彼の恋人の美咲と

友達になることだった。嘘をついておとしいれ手に入れた恋。

偽りのない恋だったが。。

 

感想:この恋愛小説とてもおもしろかったです!

いろいろびっくりする展開があって、全然退屈せずに

読めました。ドロドロ系の女性の怖さがかかれていて、

でも現実にありそうな話で、笑

物語の構成がとても興味深かったです。

読んでみたらわかるんですが、

七々子の行動・思考が本当に客観的にみたら

ありえないって感じで、友人をおとしいれるような

発言に対してよんでてただただ不快だったのですが、

最後まで読んでみたらなんか変に全部

納得できてしまうんです。( ;  ; )

「人を好きになることの不条理」

「周りには幸せそうなカップルがいるのに、

私は何もいらない。ただ一緒にいられたら。

その何万分の1もの幸せも叶わない」など

女性でなくても共感できる部分が多いのではないのでしょうか。

付き合ってからの苦しみについても描かれていました。

本当にわかるーーっって思いながら読んでました。( ;  ; )笑

彼氏の家にいったら、「なんかあった?どうしたの?」って

いわれるシーンに「何かあったらきちゃいけないの?」

ってお互い思うことはあるだろうけど、

言われたら正直、傷つきますよね!笑

「きてくれて嬉しい!」って嘘でもいいからいって欲しいと

私なら思います!笑

長編でしたが200ページそこらなのですぐ

読みきれますので、おもしろくて、現実的で

どろどろものが好きな方には是非おすすめです。

 

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♦︎鏡の迷宮 By E.O.Chirovici

 

あらすじ:ある日、文芸エージェントのピーターのもとに届いた原稿。

迷宮いりした未解決の殺人事件についての真相を告げるといいながら

肝心の結末がかいていない。ピーターは残りの原稿の行方とともに

事件について調査を始める。エージェント・記者・警官と次々に交錯する

語り手とそれぞれの視点。全てのピースがそろった時

浮かび上がるありえない事実。(作品より抜粋)

 

感想:とっても読みやすいミステリーでした!

登場人物の数も常識範囲内でストーリーラインも

比較的追いやすいかと思います。大きなどんでん返しというより

読み進めていくうちに、徐々に真実に近づいていく感じの

ミステリーで、別の面白さがあり、良かったです。

この本のテーマとされているのは、「人の記憶の曖昧さ」

作者は何度も、人間の記憶はとても曖昧なもので自分の

意志に関係なく思い込みで物事を理解する癖があると示唆しています。

窓の向こうを注意深くみているつもりでも

実際にみているのは鏡にうつった己の姿なのである。

そのテーマを語り手を変え、それぞれの視点で同じことが別のように

語られ一体だれが本当のことを話しているのか

混乱します。それが目的でしょうけど。笑

そして自分が信じていた事実が、この人ももしかして

全部記憶違い?願望?で語っていたのではないかと

最終誰も真実をかたっていないのではないかと

疑心暗鬼になります。

そこがこの本の醍醐味ではないでしょうか。

今までにないミステリー小説だと思います。

是非、読んでみてください♩

 

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♦︎ふたつのしるし By宮下 奈都

 

あらすじ:美しい顔を眼鏡で隠し、田舎町で息をひそめるように生きる優等生の遥名。早くに母を亡くし周囲に貶されてばかりの落ちこぼれの温之。遠く離れた場所で所在なく日々を過ごしてきた二人の〝ハル〟が、あの3月11日、東京で出会った――。何度もすれ違った二人結びつけた「しるし」とは? 出会うべき人と出会う奇跡を描いた、心ふるえる愛の物語。

 

感想:ハートフルで心あたたまる静かで綺麗な物語でした♩

宮下さんの世界観とても好きです。

今まで読んだ作品はどれも、ほっこりする話ばかりで

この話もとても、よかったです。

ただ、物語自体は結構ありきたりな感じで、時系列も

割とはやく進むので、少し違和感がありました。

私はミステリーやサスペンスを読むことが

多いので、インターバルでよく

こういう静かな落ち着いたものを読みますが

そういう点では本当に目的達成できました。

解説で語られていた部分で印象に残っているものを

紹介しますね♩

 

「人間はひとつの本質を核とした、かぎりなく球にちかい多面体の生きものだ。

ノックする相手によって開かれる窓は変わるし、そこから見える景色も違ってくる。窓の向こうから意外な一面が見えたとしてもこれまでの彼女を否定するものではない。

すべてはひとつの本質から無数にうまれる自分なのだ」

 

こういう視点をもつことって、

他の人と関わる中で、かなり大切なことだなあと感じます。

 

今月もたくさんの良書に出会えてよかったです❣️

よんでくださりありがとうございました。