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たゆたえども沈まず 原田マハ著 Fluctuat nec mergitur by Maha Harada

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Hi there.

As always , English review is down below so please check it out if interested.

仲のいい友達に原田マハさんおすすめしてもらってから、すごくはまってしまってます笑

新書を購入して2日で読みました。

後半は感動と感激で涙が止まらなかったです。さっそく読んだ感想を書きます。

 

 

 

 

本の概要:19世紀後半のパリを舞台にパリで浮世絵を売り込む日本人の画商、林忠正と助手の重吉、無名画家ゴッホと弟のテオ達が奇跡の一枚を生むため、ゴッホの絵画を世間に認めてもらうために奮闘する話。

 

ジャンルはアートフィクションみたいですが、かなり歴史的事実も忠実に再現されていて、歴史小説も要素として入っていると思います。

437ページの文庫本でパリの地名や有名な19世紀を代表する画家達が登場します。

美術史が好きな方ならきっとわくわくしますね!

 

 

ゴッホについてざっくり。

フィンセント・ファン・ゴッホ(以下ゴッホと記載)

1853年 3/30 ー1890  7/29(37歳没)

オランダの画家で主な代表作は、「ジャガイモをたべる人々」「ひまわり」「星月夜」「カラスのいる麦畑」等。

 

この小説では表紙にもなっている「星月夜」がストーリーの中心となっていました。

 

ゴッホはオランダ南部の村で牧師の父と母アンナの元に生まれた。

気難しい子供だったらしい。

伯父のセントの助力でグーピル商会のハーグ支店で働き、その後ロンドン支店に転勤する。

恋愛のもつれ等、より孤独を感じ宗教への関心が強くなる。

その後パリ本店に転勤となる。一時期、聖職者になる志をもって勉学に励むも上手くいかなかった。

この頃より弟のテオより生活援助をしてもらうことになり、各地を転々とし絵を描くが生活に困窮していた。

ゴッホはパリのアパルトマンでテオと同居するもややあり、南フランスのアルルへとうつる。

そこでゴーギャンと生活を共にするも関係性がだんだん悪化する。

このころから、ゴッホは精神を病んだ症状が出現し、幻覚も経験し治療のために病院や療養所を転々としサン=レミの民間の療養所で生活をする。

回復した後にオーヴェルへ移り生活するが、37歳の若さで銃により自らの生涯を閉じることとなる。(自殺か他殺かは諸説あるみたいですが、、)

 

✳️美術を学んだプロではないので時系列が前後していたり情報が正確でなければすみません。

 

レビュー:日本は明治が始まったばかりでまだ西洋に比べ、文化も経済も追いついていなかった時代の忠正の堂々とした商売人としての姿勢がすごくカッコよく、行動力もさながら美術への知識と価値のある絵を見る目とセンス・人をみる目がすごく肥えていて、すごい人物だと思いました。「日本人であることを誇りに」という彼の考えは当時では本当に勇気がいっただろうと考えると、このキャラクターの強さに言葉が出ないです。

そして、ゴッホとテオの兄弟の絆がこのストーリの中では一番の見どころかもしれないですね。

テオの兄を支える姿は本当に上手く描写されてて素晴らしい。登場人物は多すぎることもなく読みやすいと思います。絵画ができあがるまでの画家や取り巻く人の苦労や孤独、世間からの批判等、知りえなかった部分をこの本を読んで想像してみて、ゴッホを見る新たな視点が増えました。とても嬉しいです。この本の第二のテーマはと聞かれたら「孤独」と私ならきっと答えますかね〜。

印象派は本当に美しい絵が多くて、生き生きしてて、明るくて個人的には一番好きなジャンルですが、認められる前の酷評をきいていると残念でならないです。

文化は常に変化していますが、時代が変われば人々の価値観や心のあり方も変わるので何を美とし何をアートとするかってすごく流動性があって儚い感じがします。そこが面白いのかもしれませんが。

そして、美術に全然詳しくない私ですが、絵が人に語りかける、伝えるものは言葉よりも強く、作者が亡くなって100年以上も経った現在でもたくさんの人々の心に存在していて、画家ゴッホの偉大さを改めて気付かせてくれる小説でした。

天国にいるゴッホとテオに是非私からも伝えたいです。「貴方が憧れた日本で、あなたの絵はずっと人々に感動を与え心にあります。天国ではお腹いっぱい美味しい物を食べて愛する人と幸せに暮らしてください。」と。

 

GoodReads 評価 ☆★★★★(4/5)としました。

 

 

 

たゆたえども沈まず is the latest book of Maha Harada published 10th April 2020 in Japan.The story follows 2 men , 林 忠正(Tadamasa Hayashi)and 加納 重吉(Jukichi Kano) that work as Art dealers in Paris in 19 century. They mainly sell 浮世絵(Ukiyo-e)and other japanese arts products. One day they met Van Gogh and his younger brother Theodorus "Theo" and start to get to know each other. Theo and Van Gogh are struggling to receive a good reputation and be apreciated Gogh's works by people. No one buys his paints thinking it is not simply good enough.However , Theo believes in his brother's sense of arts so he keeps  encouraging Gogh and supports both in mentally and financially. Theo's love toward Gogh in the story is immeasurable!!!It really moved me to the point where I was bawling my eyes out at the ending.lol

I'm glad I was alone with my baby dog when I read it haha

This story is written from the perspectives from different characters but Jukichi and Theo are the main narrater which is a wee bit frustrating since I am pretty sure that it could've been better and more enlightning if Van Gogh gave a lot of more account of himself .

Having said that the author never gets me disappointed by her books !

She is so clever in that the very beginning of the story is always some kind of an indication or implication, with which you 'll be taken by surprise at the very end cuz you will surely be enlighten about the very meaning of the implication at the beginning of the story . I looooove how this made me feel.It's sheer magical and dazzling moment and I literally take 10 min to devour the moment after I read.(Hope someone also related to ! haha) 

Speaking of language aspect for Japanese learners, I' say the book is probably between upper - intermediate and advanced. Although words themselves in the book aren't super complicated , the author uses a good amount of abstract expressions and metaphors which sometimes I had hard times in picturing an image that she was trying to get at.  Good practice for Practical advanced Kanji . Good Luck.

 

☆★★★★ (4stars out of 5 ) 

 

If you love arts , you will love this .

 

Happy reading!