Bookishdream

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2020/9/wrapup

こんにちは♪

9月は転職に、体調をくずしたり大変な一ヶ月でしたが、

通勤時間が長い分、なんとか読書も続けることができました。笑

電車で本を読むとすごく酔う?のは私だけでしょうか?

酔わない時もあるので、疲れとかが関係しているのかもしれません。

朝は満員すぎて、本すら開けないのが事実ですが、笑

 

今月読み切った本は冊。

 

・Butter(柚木 麻子著)

・WHERE THE CRAWDADS SING(Delia Owens著)

独立記念日(原田 マハ著)

・まぐだら屋のマリア(原田 マハ著)

 

今月は良書が多くて嬉しい。

原田マハさんは、今まではずれがなかった。友人にすすめられて、すごくはまってしまってます。笑

上記二つの本については、すでに他の記事でレビューをしていますので、今回は残り二つの原田マハさんの作品2つについて、読んでみた感想や、本の概要を記載させていただこうと思います。

 

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2つとも、表紙カバーは名画で、あまり作品には関係ないと思いますが

なんとなく原田さんといえば美術関係の小説が多いのでイメージとしてはしっくり。❤︎

出版社によってカバー違いますが、今のところ自分が購入したもので、満足です。

 

では、独立記念日から。

 

 

独立記念日 原田 マハ著

作品:24つの作品からなる短編集。

   2010年に刊行された別のタイトル(インディペンデンス・デイ)

   を改題した作品で1版は2012年に出版。

 

全357ページ(PHP文芸文庫)

 

作品概要:「独立すること」「一歩踏み出すこと」に焦点をあてた作品。

     語り手は皆、女性で恋愛・結婚・仕事・別れ・大切な人の喪失など

     それぞれの人生において、悲しみ・迷い・不安を抱えている。

     そんな彼女達が、新しい出会いや発見によって抱えていた悩みから

     自由になる軌跡をいろんな視点で、みることができる。

     それぞれの話は、別の話であるが、前の話の登場人物が次の話の語り手に

     なっていたりしていて、興味深い構成。

 

 

読んでみた感想:短編集なので読みやすく、かといって短編だから話が完結しないまま終わるなんてこともなく、とても読みやすかったです。いろんな話が入っているから、共感できるものも多く、読んでいておもしろかったです。真剣なかなり込み入っている話よりも、軽い気持ちでさくさくっと読みたい人向けだと感じます。決して内容が軽く浅いという意味ではありません😀本に託されたメッセージは、とても強く印象的でした。

たとえば、本の主題になっている「独立」とは「自由になること」と作品中で述べられています。生きていく中で、悩むことや、苦しいことって避けては通れないと思いますが、そんな自分を窮屈にするものから、いかに解放されて自由になるか。これが作品共通のテーマであり私たちの生活の中でとても大切な視点ではないかなあと感じさせられます。

そして自由になるためには、時には手放すこと、あきらめることが必要な時も。

あきらめること=逃げること ではないんです。

なぜなら、手放す、あきらめるとは時にしがみついていくよりも、もっと勇気がいることである場合が多いからです。

いろんな人物が、迷いながら前進していく姿を読んでいくことで、いろんな人生の断片を追体験することで生きることができる作品です。自分も頑張ろう!失敗しても大丈夫!と

いろんな意味で、活力をくれる作品でした。

 

 

 

 

まぐだら屋のマリア 原田マハ

カバー:《見よ、われは主のはした女なり(聖告)》

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ (テート蔵)

 

作品:2014年初版出版 全377ページ(幻冬舎文庫

ジャンル:フィクション

 

あらすじ:東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った…。過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。

ー(Bookデータベースより引用)

 

私も美術には精通してませんが、あんまり作品と密接に関わりがあったわけではないですが、ざっくりカバーにでている作品について記載します。

 

《見よ、われは主のはした女なり(聖告)》は、(制作年1849~1850年)ロセッティの作品です。ロセッティは、ラファエル前派の創立重要メンバー。ラファエル前派とは19世紀中期にイギリスで結成された芸術家集団のことです。ラファエルはルネサンス盛期のイタリアの画家だったと思いますが、ルネサンスの三代巨匠のうちのひとり。その「ラファエロ以前の芸術を重んじる」というのがロセッティが結成したラファエル前派です。

この作品は、キリスト教の有名な主題「受胎告知」すなわち大天使ガブリエルが聖母マリア

イエス・キリストを妊娠したことを告げる場面のもの。受胎告知のエピソードは『新約聖書』において重要な場面でありルカ福音書にそのエピソードが記載されています。

宗教芸術では受胎告知は人気のテーマであったがゆえ、ロセッティの解釈が他の画家と違い、マリアの表情が妊娠を喜んでいないように見えるなど伝統から逸脱していたため、批判が大きかった作品らしいです。洗礼者ヨハネなど、聖書にでてくる人物名が、作品中にもでてくるので、注目です。

 

長々かきましたが、今回の作品は美術史は舞台ではなく、料理人が主人公でした。

結論からいいますと、この本はメッセージ性が強く、かなり(いい意味で)重かったです。

電車で読んでて2回ぐらい、泣きかけました。笑

感動しました。

食べることがなんて奥深く素晴らしくそして生きる上で重要な意味を持っているか。

そして作中のまりあのように、自分んの過去とどう向き合っていくか。

自殺未遂をしたものへ「死んで楽になるぐらいなら、生きて苦しみ続けろ」といったセリフがでてきましたが、衝撃が強すぎました。内容をかかずに、この文章の意味は言えませんがぜひこの意味を作品を通して、見出してくださればと思います。

そして、マグダラのマリアと作品にでてくるまりあとの、共通点!!

ここが寓話的で、本当にうまく、人物を描いておられて素晴らしいと感じた点です。

ここで、名画との関連がでてくるわけでした。

長編感動映画を2本だてでみたぐらいの、感動を味わえた作品でした。

 

 

 

 

 

 

本日も最後まで読んでくださりありがとうございました。